第三章真田睦月巡査 真相への入り口編

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              1  六月二十日、木村正一の身柄は捜査本部のある札北警察署に移送され、直ちに取り調べが行われる。  現時点で木村は、バラバラ死体遺棄事件の重要参考人の域を出ない為、公務執行妨害での現行犯逮捕で拘束されているが、捜査本部長堂場剛弘は木村の犯行を確信したかのような強い指示で、当日中の木村正一の自宅捜索を決定する。  ノンキャリアで警視正まで上り詰めた稀有な存在の堂場と言う男には、これまでの経験と並みの刑事には無い鋭い嗅覚があるのだろうか? 木村の自宅から必ず犯行の物証が出る。容疑者として必ず挙げると強く述べる。  白石区のアンダーパスから見つかった腕は科捜研にすぐ運ばれた。恐らく金山の左腕だろう。  袋にはメモもありarm③underpass④(armのフォントはBig Caslon)とある。真田の読みどおり、白石区のアンダーパスだった。
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