第三章真田睦月巡査 真相への入り口編

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「それはわかりませんが、キーワードとして、誤認、謝罪、him a punishmentで彼に罰を。が浮かび上がってきました。  ただ、気になるのは、昨日の第七の遺棄現場の木村自宅の物置で見つかったメモは、この二枚目のフォントを明らかにしたメモには入っていませんね。  第七の遺棄のメモはhand③completion⑦でしたがフォントは第六と一緒のbig caslonでした。でもこれだとapologgで意味になりません」 「じゃあ、昨日の第七の事件のメモはなんだったんだ? 第一の現場から第七の現場のメモを繋いで、him a punishmentで彼に罰を。そして昨日のメモのcompletionつまり完了。それで終わりじゃなかったのか?」水澤が苛立つ。 「榊さんは、木村さんが犯人ではないことを暗に示す為に、第七の物置の左手はあえてフォントを変えないで第七の事件は偽物だと知らせるつもりじゃなかったのでしょうか? 昨日の第七のメモを抜かせば、第一現場から第六現場まででhim a punishme 昨日の第七のメモが示すntを抜かして、今日のこのメモのtongue①misconception⑤⑫ が示すtooを繋ぐと“him a punish me too”となって、“彼はあまりにも私を罰します”というような意味になりますし、“him a punish”で区切り“me too”と分けると、“彼罰します。私も”となります」真田は二つの意味を見つけ説明する。 「榊さんの行動の真意が全く解らん。“彼罰します。私も”なら、榊さんが後輩の真田の親父さんを殺した金山を“罰”として殺し、自分も責任とって“謝罪”としてけじめつけて自殺すると言う意味で通るが、木村を一度犯人として仕立てて上げて物置のメモで“完了”としたのに、実は“誤認”だと種明かしし、そして堂場刑事部長の執務室でわざわざ自殺する必要があるんだ?」  水澤が戸惑いながら続ける。 「もう一つの意味の“彼はあまりにも私を罰する”はもっと解らん。榊さん自身が誰かに罰せられたという事か? 堂場刑事部長を刺したということは、堂場刑事部長が榊さんを罰してたと言うことか? 堂場刑事部長の口から榊さんの話や知り合いだったなんてこれまで一度も聞いた事ないぞ」
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