第1章

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A「どうして貴方がここに……」 B「……渡せてないモノがあったから」  そう言って手渡されたのは縦長のプレゼント箱。上から白を基調にしたラッピングで綺麗に飾っている。 B「じゃあ僕はこれで……   渡すモノ渡したらすぐ戻るって約束だから」  待って、という言葉を発する前に彼は目の前から消える。  しばらく呆然としていたがハッと我に返って すぐさまラッピングを剥ぎ、箱を開けてみた。 ……中にあったのは銀のペンダント。ソレは教室に射し込む夕日に反射してキラキラ光る。 A「コレは……まさか」  中にあったメッセージカードには一言。 『誕生日プレゼント。1年も待たせてごめんな』と綴られていた。 A「……っ、どうして。   こんな事になるなら誕プレなんて……!」  やり場のない思いが涙に代わりあふれた。  12月7日、その日は私の誕生日。  ……そして最愛の彼の命日。
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