第8章 バーガーショップ

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(いた……!) よほど空腹だったのか。 すでにテーブルについて 可偉人は彼の顔の大きさほどあるハンバーガーに齧りついていた。 僕が来たことになんか全く気付かず スクリーンの古い映画に見入る横顔。 無邪気な目をして 手についたケチャップを舐めとり 映画のワンシーンにほんの少し笑う。 美しい身体の線を際立たせる 赤いタートルネックのニット。 ストローを咥える ハート型に尖ったセクシーな唇。 間違いない。 天宮可偉人だ――。
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