第8章 バーガーショップ

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しばし無言で 正面に腰を下ろした僕を可偉人はじっと見つめていた。 僕は気がつかないふりをして メニューに視線を落としひとつひとつ文字を辿る。 無造作に捲られた袖口からのぞく 骨ばった腕は――ゾクリとするほど律に似ていた。 「コブサラダとクラムチャウダー。食後にコーヒー」 「それだけ?」 僕のオーダーを聞くと 可偉人は文句たらしげに片眉を上げた。
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