第1章 藤堂芽衣

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私は藤堂芽衣(トウドウ メイ)。 私は『ある能力』を持っている。 それは生まれつき持っていたのではない。 高校2年のこと..... 12月、クリスマスイヴ 私はひとり夜の街中を歩いていた。 キラキラと光り輝いたイルミネーション、サンタさんが来そうなワクワクするような音楽、 子供連れのファミリー、そして 手を繋いだり寄り添うカップルが この街を一層にクリスマス気分にさせる。 なぜ私はひとり夜の街中を歩いているのか。 友達がいない。彼氏もいない。 私は言うなれば「コミュ障」なのだ。 父や母、妹とは普通に会話が出来る。 でも、いざ家を出れば私は「ぼっち」。 クラスの女子や男子、先生とも 上手く話すことが出来ない。 一緒に笑ったり、泣いたり、喧嘩したり、 そんな普通のことが共有出来る人は 私には家族以外にはいない。 だからこそ、 毎日欠かさず近くの神社に 神頼みをしに行くのが恒例だ。 「ぼっちを卒業出来ますように.....」 この神頼みは小学4年の頃からおこなっている。 叶う確証のないこの願い..... 私はずっと信じて願い続けた。 「神様、どうか私の願いを.....」
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