1人が本棚に入れています
本棚に追加
―――――
「…ったく、相ッ変らずな名推理だな?」
「エッヘン!伊達にサスペンスドラマを見ちゃいないもん!」
いかにもヤクザっぽいノーネクタイスーツで、白髪をリーゼントで整えたオジサンは、警視庁捜査一課警部の輿田さん。
一課では「鬼畜の輿さん」と言われている人なんだけど、この人は私の能力については一切知らない。
別に言っても良いんだけど、多分信じないだろうし、何より自他共に認める大のオカルト嫌いだ。
それに、もう1つ理由がある。
「サスペンスとマジモンの事件を混ぜんな。まぁ、今回もスピード解決出来て何よりだが…(何かあったらマズイんだっつーの!愛娘に何かあったら、仁さんに殺されるかもしれないってのによ!?)」
この"仁さん"って言うのは、私のお父さんだ。
お父さんは考古学以外に剣道をやっている。
その強さは、全国大会で何度も優勝する程のレベルだ。
そして、何を隠そう輿田さんは、お父さんと同じ剣道道場で先輩後輩関係だったのだ。
だから、事件が起きたら私が直ぐに動ける様にお父さんが輿田さんに命令して根回しをさせている。
我が父ながら、凄いの一言だ。
.
最初のコメントを投稿しよう!