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「ここは?」
気付けば僕は知らない場所にいた。
「夢と現実の狭間よ」
いつからいたのか、目の前にいた少女が答える。
「君は?」
「今は答えられない」
僕の質問に即座に答える少女。
「答えても忘れてしまうから」
自嘲気味に笑う。
「でも待ってる」
少女が続ける。
「この狭間であなたが来るのを。あなたが全てを思い出し、私を助けてくれるのを」
ずっと待ってる。少女はそう何度も繰り返す。
「今はまだわからないのかもしれない。でも待ってるから」
景色が薄らぐ。何が始まり、起ころうとしているのかわからない僕はただ一言、こう返した。
「絶対に、迎えに行くよ--」
夢が、はじけた。
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