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しかし、とにかく分かっているのは、これをなんとかしなければということ。
だから私は、背後で少し項垂れている彼をゆっくり振り返った。
「衛。ここ、きれいにしてもいい?」
尋ねた私に、彼は項垂れたまま小さく頷く。
そんな彼の所在なさげに下がっている手を、私は、そっと握った。
「じゃあ、取り敢えずきれいにしよう。話は、それからでもいい?」
それに、ようやく視線を上げてきた彼が、
少し決まり悪そう私を見詰め、そして再び小さく頷いた。
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