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だから手早く入浴を済ませ、髪を乾かしてリビングに戻る。
するとそこには、ソファの上で、ぼんやりテレビを眺める彼の背中があった。
「衛……」
私は、そっと彼の隣に腰を下ろし、自分の膝の上にある彼の手に
自分の手を重ねた。
しかし彼の視線は得られないまま、そっと俯いてしまう。
私は、誰にも見られることのなくなったテレビのスイッチを
パチンと落とした。
しかし、それに何ら反応することなく、彼は俯いたまま。
そんな彼を真っ直ぐ見つめ、私は小さく呟いた。
「ごめんね」
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