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それには、明らかな驚きを浮かべた彼の顔がサッと向けられる。
そしてそれは、見る間に戸惑いをありありと浮かべた。
「どうして? なんで香奈が謝るの?」
その彼の頬を、私は片手でそっと包んだ。
「だって、こんなにあなたを追い込んだのは私だから」
それに、ちょっと苦しげに彼の眉根が寄る。
そして再び視線を落として、ポツリと言った。
「悪いのは、俺だよ」
「どうして、衛が悪いの?」
尋ねた私に、訥々と彼が話しだした。
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