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「香奈が自分のマンションに戻ってから、
俺も、言われたように冷静になって、きちんとこれからの二人の事と
自分の気持ちを考えてみようとしたんだ。
でも情けないけど、俺、出来なかった」
フッと淡く吐息を零した彼は、
時間が経つほど冷静さから離れていく自分の気持ちを
持て余していると言う。
「でも、日に日に俺の頭が香奈ばかりに占められ始めた頃、
ある会話を耳にしたんだ」
一方的に、あんまり想われ過ぎても重いだけ――。
それは、ランチに出た先の店で、偶然、耳に入ってきた会話だったようだ。
しかし、それに彼は愕然としたという。
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