第13章  医者も、薬も

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私は、項垂れた彼の大きな背中に両手を回し、彼を抱きしめた。 「衛。それは、衛が、それだけ私に恋してくれている証拠。 だから、謝らないで」 香奈……。 静かに言いながらそっと彼の背中を摩ると ようやく彼が、わずかに体を預けてきた。 そんな彼に、やはり私のどこかも小さくホッとする。 そして私は、ふと浮かんできたアイデアを口にした。 「ねぇ、衛。12日後って、何の日か知ってる?」 えっ……? だが、さすがに唐突な問いに、怪訝そうな彼の顔が私の目の前に戻ってくる。 しかし、 「12日って、えっと……、12月の……」 あっ……。 最後の言葉を切ってハッとする彼に、私は微笑んだ。
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