第13章  医者も、薬も

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それは、12月5日。私の誕生日。 そしてそれを出汁に、こんな提案をする。 「ねぇ、衛。その日までの間、私、またここで一緒にいてもいい?」 えっ……? 再び、彼が言葉を呑む。 しかし私も、彼の言葉を待たなかった。 「衛が、私と一緒にいた方が冷静になれるなら、そうしたい。 それに、私も一度自宅に戻って色々考えたことを、 もう一度、あなたと時空を共にして確かめたい。だから、ダメ?」 そう言い終わった途端、微かに顔を歪めた彼にふんわりと抱きしめられた。
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