第12章  小雨模様のパリ(続き)

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「だけどね、毎晩、大きなベッドで一人で寝てると なんだか今までの私たちの過去全部がひどく色褪せて、 冷たく無機質なものにされたような気がするの。 それは、たとえお互いの気持ちが薄れても、やっぱり悲しい」 だから、気持ちが離れていないならば、どんなに短くてもいいから 一緒の時空間だけは持ち続けたい。 そう言った私に、彼は私の手の中で小さく頷いた。 「それとね、もし一緒に住むならば、きちんと二人で住む場所を探したい」 これには、彼は少し驚いたようだ。 小さく目を見開き、再び怪訝そうな面持ちになる。 そして私も、少しだけ続きを口にするのを躊躇った。
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