第13章  医者も、薬も

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「うん。じゃあ、どこかに行こうか。衛、何が食べたい?」 しかしそれに彼は、私の好きな物でいいと言ってくる。 「それなら、お店探して明日のお昼までに連絡するね」 こうして、変わらぬ会話を交わした翌日。 一週間ぶりに会った彼に、私は、微かに違和感を持った。 少し寒さも感じるようになった、この季節。 水炊き鍋を間に挟んだ彼が、少し疲れているように見えたのだ。 だから、 「今、忙しいの?」 相変わらず率直に訊いてみたが、それに彼はかぶりを振る。
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