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今日は初めての結婚記念日。
なのに、
すぐ人にいい顔してしまう自分が恨めしい。
「もう一軒付き合えよ!」
「あー、俺は……」
「なにー!?」
「いいよ。
もう一軒だけ、な」
店を出ると九時をまわってた。
二軒目に入り、
山村がトイレに行っているすきに、
さやかにメッセージを送る。
“ごめん。
もうちょっとかかりそう”
既読がつくかなんて確認する間もなく、
山村が戻ってきた。
苦笑いで奴の愚痴に付き合う。
けど、
さやかのことが気になって少しも酔えない。
結局、
山村から解放されたのは終電ぎりぎりだった。
マンションに帰ると、まだ電気がついている。
……きっと、怒ってるだろうな。
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