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「ただいま……」
テーブルの上にはごちそう。
ソファーには眠っているさやか。
傍に膝をつくと、
さやかの顔には泣いたあとがあった。
「……ごめん」
その顔に落ちかかる髪を払うと、
ゆっくりとさやかのまぶたが開いた。
「……帰ったんだ」
「……うん」
気まずい沈黙。
さやかは目を伏せてなにも云わない。
「……飲んでるんだ」
「……うん」
「……料理、無駄になっちゃったね」
さやかが立ち上がり、テーブルに向かう。
皿を手に、ゴミ袋に中身を黙々と詰めていく。
「……文句があるなら」
「え?」
「文句があるならはっきり云えよ!」
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