バッドエンド

4/18
前へ
/18ページ
次へ
「ただいま……」 テーブルの上にはごちそう。 ソファーには眠っているさやか。 傍に膝をつくと、 さやかの顔には泣いたあとがあった。 「……ごめん」 その顔に落ちかかる髪を払うと、 ゆっくりとさやかのまぶたが開いた。 「……帰ったんだ」 「……うん」 気まずい沈黙。 さやかは目を伏せてなにも云わない。 「……飲んでるんだ」 「……うん」 「……料理、無駄になっちゃったね」 さやかが立ち上がり、テーブルに向かう。 皿を手に、ゴミ袋に中身を黙々と詰めていく。 「……文句があるなら」 「え?」 「文句があるならはっきり云えよ!」
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加