バッドエンド

7/18
前へ
/18ページ
次へ
二軒目に入り、 山村がトイレに行っているすきに、 さやかにメッセージを送る。 “ごめん。 もうちょっとかかりそう”   既読がつくかなんて確認する間もなく、 山村が戻ってきた。 苦笑いで奴の愚痴に付き合う。 けど、 さやかのことが気になって少しも酔えない。 結局、 山村から解放されたのは終電ぎりぎりだった。 家に帰ると、まだ電気がついている。 ……きっと、怒ってるだろうな。 「ただいま……」 テーブルの上にはごちそう。 ソファーには眠っているさやか。 傍に膝をつくと、 さやかの顔には泣いたあとがあった。 「……ごめん」 その顔に落ちかかる髪を払うと、 ゆっくりとさやかのまぶたが開いた。 「……帰ったんだ」 「……うん」
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加