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気まずい沈黙。
さやかは目を伏せてなにも云わない。
「……飲んでるんだ」
「……うん」
「……料理、無駄になっちゃったね」
さやかが立ち上がり、テーブルに向かう。
皿を手に、ゴミ袋に中身を黙々と詰めていく。
「……文句があるなら」
「え?」
「文句があるならはっきり云えよ!」
思いっきりテーブルの上を払った。
皿が落ち、派手な音を立てる。
さやかは目を見開いて立ち尽くしてる。
「もういい!」
靴を履き、マンションを飛び出した。
初めての夫婦喧嘩。
莫迦なことをした、後悔ばかりが頭をよぎる。
無我夢中で走り、
気が付いたときには
けたたましいクラクションの音と、
眩しいライト。
次の瞬間、俺は……。
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