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「ちーるらっ」
名前が呼ばれる。
女の子にしては少し低く、何処か大人びた声。
「みあ…何。どうかした?」
「どうかって何よそれ!てか、何かあったのはあたしじゃなくて、ちるらの方でしょ」
私……?
何かしたっけ?
思い当たる節がなくて、私はみあから顔を背ける。
ふと、一輪だけ残った桜の木が目に入った。
「聞いたよ~!新学期早々、また学年一位だったみたいじゃん!入学してから不動の学年トップだし、あたしも幼馴染として鼻が高いったら!!」
「別に…関係ないじゃん」
私がテストで何位になろうと、みあには関係ない。
幼馴染なのは認める。
でも、だからって私の成績イコールみあの沽券なんて…意味がわからない。
ひどいと思われても、それが本音。
訂正する気持ちも無いし、みあだって、薄々感じていること。
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