嘘だらけの世界から

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「もー、本当あり得ないよね~。新学期早々ついてないわ…」 昼休み。 びたーんと豪快に机に突っ伏してぼやくみあ。 もふもふのショートヘアを軽く一撫でして、私は右隣りの席に目を向けた。 「まあまあ。それよりみあ、私の隣の席の子、誰か知らない?」 「え?あぁ…応賀くんだよ。うちの学校はクラス替えないけど、一人だけこのクラスに編入してきたって聞いたよ」 「なんでまた…」 特進なんて、名前ばっかりで。 意味のわからない講義はあるわ、他クラスより課題は多いわ、テストテストの山積みでなんにもいいことなんてないのに。 たまにこういうと、頭いいやつの自慢とか言われるけど。 心の中でくらいなら、いいよね。 だって、本当にそう思うから。 そんなに嫌なら入らなかったらいいのにって自分でも思う。 でも、ね。 無理なんだよね。 なんていうか、【親に従うのが子の務め】みたいな。 ま、今更だけど。
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