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「応賀くん…いたっけ、今日」
「いたよ。てか隣じゃん。ちるらってば、酷すぎ~」
「いた?そんなはず…だって、ずっと誰もいなかったよ。欠席とかじゃないの?」
「はぁ?ちるら大丈夫?今日は欠席遅刻早退なし!僭越ながら委員長の私が何度も確認しておりますよ。てことで、お分かり?」
「……」
え、でも…。
そんなはずない。
覚えてる限り、私の隣はずっと空席だった。
終業式のときも、ホームルームのときも、今も私の隣は空いたまま。
でも、みあの言葉は“真実”だった。
他の子に聞いても、みんなは口を揃えて応賀くんの名前を口にする。
しかも、ずっと私の隣りの席にいたと。
変だ。
すごくおかしい。
私だけ、なのかな。
いや、違う。見てないものは見てないんだから。
ぬぐいきれない違和感に、私は席を立った。
「ねぇみあ。私、ちょっと出てくるね」
「なに、どこ行くの!?」
どこって。
そんなの決まってる。
あてはあるのかって?
もちろん。
さっきから“感じてる”。
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