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序章=こんなはずじゃなかった
■1-ひぎゃ!?[聴いてんじゃねぇ]
たまに目が合う。
同じクラスなら、当然そんな事もあるだろう。
けど、なぜだかアイツの視線は気になっていた。
けど、気にするんじゃなかった。
『んんっ…はぁっ!いいっ…ぁっスキっっ!』
うっかり再生してしまったスマホのボイスメモに休み時間の教室が静まり返る。
一転してドッとざわついた。
「おい!スゲェな!オマエのオンナ超ーエロい!」
「つか、なに?そんなん録ってんの!? まあ、あんだけエロい声出されたら録りたくなる気持ちもわかるけど!」
「もっと聴かせろよ!」
伸ばされる手を振り払って、データを消去する。
「あっ!勿体無い!なんで消すんだよー」
「オマエらに聴かせるために録ってんじゃねぇ」
「聖夜のケチ!ちょっとくらい聴かせろよー」
「うるせぇ」
喧騒を振り切るように立ち上がって、そのまま廊下に出た。
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