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『ははっ…なんだよ。そんなにコレを……ブチ込んで欲しかったのかよ?こんな……自分からイヤらしく腰振って。……淫乱』
耳元で、さっきよりもさらに生々しく声が聞こえる。
まるで直接オレに言われてるみたいだ。
ちがう……オレはそんなこと……。
必要のない言い訳を思い浮かべる。
混乱したまま三度繰り返して聞いてしまっていた。
そして次のボタンへカーソルを合わせる。
《…おまえの…》
クリックすると、こらえるような吐息が聞こえてきた。
『はぁ…お前の中……すげぇ、きもちイイ……はぁっ…んっほら、お前のコレも気持ち良くってたまんねぇって、雫垂らしてビクビク震えてる。ヤラしいカラダだな』
耳元で紡がれる喘ぎまじりの声に身をすくませる。
ヘッドホンの中の音の振動で、直接吐息を耳にかけられてるみたいだった。
はっ…はっ……。
自分の息が浅くなってるのにも気付けなかった。
しばらく身じろぎもできずにいたが、ゆっくりとまた再生ボタンにカーソルを合わせる。
恐る恐るボタンを押した。
『はぁ…お前の中……すげぇ、きもちイイ……はぁっ…んっほら、お前のコレも気持ち良くってたまんねぇって、雫垂らしてビクビク震えてる。ヤラしいカラダだな』
目を瞑って声に集中する。
ゾクゾク……背中を何かが駆け上がる。
『お前の中』って、完全にヤって……るんだよな。
また、再生した。
『きもちイイ…はぁっ』の吐息に、耳をくすぐられ何度もビクンと肩が跳ねる。
『ヤラしいカラダだな』なんて自分が言われてるみたいで言い訳したくなってしまう。
……アンタの声がヤラしいのがいけないんだ。
耳が熱い。頭がぼっーとなって、さっきからずっと胸がドキドキしている。
ゆっくりと目を開ける。
これはヤバい。
男の声に……なに夢中になってんだ……。
肩の力を抜いてはっと気付く。
いつの間にか自分の股間に手をやっていた。
何やってんだオレ!
まずい。このサイトはダメだ。
山田力……くそっロクでもないゲームまで引き受けやがって。
他もこんなのやってんじゃないだろうな。
……他も……。
いや、何考えた?もう検索はしない。
どうせろくな情報は見つからない。
……いやいや、そうじゃない。
だから、山田力のエロい声なんか聞いてどうする。
オレはアメーディオ様とか大地くらいで充分だ。
いや、充分てなんだ。
だから…男の声に…男の……。
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