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「ぜってーわかんだって。演技してる女優は見て見て感が強くてよ、あたしこんなに気持ちいいのぉってアピールが強いんだよ。ホントに感じてるときは、演技も意識してんだけど、やっぱあふれるものがあるっつーか、わかるだろ?なぁ」
「溢れるものって。フウ太の趣味からいくと○連発ぶっかけとか潮吹きとかどうせそんなだろ」
「てか、連射だとあふれてんのは男優のほうか」
「あんな耐久レースみたいなモンよく飽きねぇな」
「でも、そうなると女優は別に感じる必要すらなくね?」
「いや、だから!ぶっかけとか忘れて?」
畳み掛けるように突っ込むオレとカズに、フウ太がジタバタする。
こんなばかばかしい掛け合いがホント楽しい。
だんだん酔っぱらいも増えて来たので場所を移動し、ラーメンを食ってからダラダラ歩いて帰った。
やっぱ友だちとこうやってくだらねぇ話をする時間も大切だ。
ベッドに寝転び、なんの飾り気もないオフホワイトの天井を見上げる。
バカ話で気晴らししたのに、家に帰るとまた『あの』シーンに悶々と頭を悩ませてしまう。
喘ぎを挟みつつのセリフがある。
セックスの時に話すとしても、喘いでる最中に話したりしない。
記憶を掘り起こしても自分の本気の喘ぎ声と言うのがよくわからない。喘ぐというより、漏れ出たようなうめき声なら記憶にはあるけど。
可愛い受にうめき声は似合わない。
主人公サリュの身体に埋め込まれた『聖なる玉』の力を解放する為に、その『鍵』となる攻キャラの身体に秘められた『神樹』の力を流し込み、サリュの感情と感覚を高揚させる必要がある……という設定だ。
『すまない。こんな事までするつもりはなかった』
『謝らないで。オーリオ。ボクは、あなたで良かったと思ってる』
何度かからみがあるが、これが最初の『開通』だ。
最初ちょっと苦しそうなシーンはあるが、すぐに気持ち良くなってアハンアハン言い始める。
『……使命などわすれ…はぁっ…キミに……おぼれそうだっ…!サリュ…受け取れっ『神樹』の力をっっ!」
『…‥あ……ボク…こんな‥…あっああ!オーリオ!溢れる…力がっ!あっ出ちゃう!んふぅっっ……で‥…る」
『…』が多すぎる。
はぁ……。
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