第1章

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兄貴の彼女、こんな匂いなんだ。 ふーん・・・ べ、別に、気になってるわけじゃないもんね! 玄関前に落ちてたマフラー、拾っただけ。 それを、ちょっと巻いてみただけ。 香水かな、シャンプーかな・・・ そ、そんなの、どうでもいいか。 めんどいなぁ、兄貴の部屋に持ってってあげよ。 あ、でも・・・ ドアノブに掛けておいてやるか。 「・・・オジャマ虫は静かにしてますよーだ」 「おまえ何ブツブツ言ってんだ、雪降ってんだから傘ぐらいさして帰ってこいよ」 後ろから来た兄貴はそう言って、私の頭を乱暴に撫でた。 手に持ったコンビニの袋には、缶コーヒーとピーチティー。
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