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「うわあああああッ!!!!!!!」
僕は慌てて鉛筆を放り投げた。
「ど、どうした…?」
その声に再び驚く。
さっき出て行ったはずなのに、何故か担当医が僕の横にいる。
「あ、あんたなんで!?い、いや、そんな事より大丈夫か!?僕あんたになんかしなかったか!!」
「え?いや?君に手紙を書きたいって言われて鉛筆と紙を持って来た時にお礼は言われたけど…」
飛んだ。
また奴が現れたんだ。
「あ、あんたバカか!あんなの持って来て、僕があんたに襲い掛かったらどうするんだ!!」
「それは心配ない。私はこう見えても合気道の有段者だし、ジムにも通っている。例え君が日本刀を持って襲い掛かって来ても、傷一つ負わずに勝てる。君が自分を傷付けないようにも見てたしな」
確かに担当医はいい身体をしていた。
いや、そんな事より…
「ぼ、僕は何していた?」
「何って、だから手紙を書いていたぞ。ほらそこ…」
担当医が指を指す僕の膝元には、1枚の紙が落ちていた。
僕は恐る恐る拾い上げた。
きっと奴からのメッセージだ。
僕は書かれた文章に目を走らせた。
「それは一体どういう意味なんだ?」
担当医が眉を寄せながらそう言う。
僕も眉を八の字にした。
「うッ…うぐ…うううッ…!!」
そして、涙を流した。
担当医は驚いた表情で僕を見た。
「ど、どうした?」
「ひ、独りじゃなかった…!僕は独りじゃなかったんだ…!!」
それは…
僕が欲しかった
ピースだ
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