第1章

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失敗した。 手袋も持ってくればよかった。 指先が冷たいを通り越して痛くなってくる。 「部活、まだ終わらないのかなぁ」 あいつが時間通りに来たことなんて、今まで1度もない。 待たされるってわかっていたのに。 「あれ?待ち合わせ?あいつ、まだ来てないのか?」 ふいに声をかけられて驚いた。 同じクラスの翔君が、大股で近づいてくる。 「部活終わってるぞ?ったく、司のやつ何やってんだ」 翔君が眉間にシワをよせて、唸るように呟いた。 低い声が、ちょっと怖い。
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