3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねえ、君は誰?」
尋ねたが返事はない
「そうかまあいいよ。俺ねもうすぐ死ぬんだ。医者には半年前に言われてたんだけどね。まだ生きてる」
ふと窓際に目をやり、ガラスに部屋の様子が反射して見えた。俺が映っていない。驚いた俺に彼女が写真を渡した。そこには黒縁がついた俺と妻と娘の葬式の写真が映りこんでいた。
「そうか俺…半年前に車の事故で…
君は俺を成仏させに来てくれたの?」
彼女は優しい笑顔で頷いた。
「私は死役所の迷子探し担当の者です。皆様お待ちですよ。さあ安心して死んでください」
最初のコメントを投稿しよう!