アンダー・ザ・グラウンド

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核戦争が始まり、数ヵ月後には地球の生存者が居なくなったとされていた。 そして地球上は廃星となり、各々の先進国は宇宙に逃げ、月や金星などの開発を始めている。 ただ、日本人だけは今も地球に残り、歴史を重んじた知識を駆使し、地下で生活する事を決意した人種であった。 核戦争後、100年近く経過した今はまだ地球の地表に出る、または降り立つことができないとされている。 神楽は地表近くのシェルター扉の入り口にいた。 100年前の太陽や星や宇宙が見たいと思っていた。 じいじやばあばの話や、過去の永久保存版の画像でしか見ていない、現実に見たらどんなに感動的なのだろうか? しかし、シェルター扉の向こうは、灼熱と熱湯の世界だと言われていて、外に出る事は禁じられている。 しかし、そこは日本人の能力が発揮され、もうすぐ耐熱性地表カメラの開発に成功し、地表の様子や生命体の様子がわかるようになると、アンダー・ザ・グラウンド・ジャパンニュースで話題となっている。 核戦争前の日本人は既に純血の日本人が少なく、200万人を切る勢いで減少していた。 そのために政府は内密にコツコツと200年以上かけ、埋蔵金で地下に500万人以上住めるような地下都市に、いざというときの備えを造り上げたのだ。 お陰で日本人は480万人まで増えた。 だが、これ以上増えると、年間酸素生成量が追い付かなくなるだけでなく、地下資源も底をつきはじめるばかりか、日本人滅亡の危機に陥ってしまう。 そこで、政府は、地上の放射線量で、生活できる範囲内を捜査し、老い先短い老人達を送り出し、データーを取り、あわよくば地表で再び生活できるように計画を立てているのだ。 神楽は毎日大学の帰りに必ずシェルター入り口に寄った。 シェルターの扉は半径10メートルぐらいあり、重たく口を閉ざしている。 そして、溜め息をついては、自宅に帰った。
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