第1章

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顔赤らめた少女はフェンスを背にし目の前にいる少年に「私、冬って苦手だったの」と切り出す。 「え?」 どういう意味か少年が考えている内に少女は何故か照れ臭そうに続ける。 「寒いし、すぐ暗くなるから何だか寂しい気分になるの。でも、今年からそんな冬が好きになった」 「何で? 何か良いことでもあったの」 悪戯っぽく聞く少年の目を真っ直ぐ見て少女ははっきりとした声で答える。 「去年の冬に君と出会えた。それだけで冬が好きになったの……。……君が好きだよ」 「お、俺は……」 赤面する彼が、どの様な答えを出したのだろうか。 言わなくても彼女の顔を見れば答えは分かるであろう。
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