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頭痛。目眩。そして、吐き気。 ぼんやりとした意識の中、ゆっくりと目を開く。 見知らぬ教室の中に、俺はいた。 「やっと起きたんだ」 聞き覚えのない声に視線を動かすと、そこには制服を着たひとりの少女が立っていた。 「俺……どうしてこんなとこに」 「知らない」 「ここ、いったいどこ?」 「知らない」 わたしも同じ。 何も分からない。 目が覚めたら、この教室にいたの。 冷淡な口調で、彼女は言った。 俺は勢いよく立ち上がって、教室の扉に手をかけた。 「無駄だよ」 「え」 「さっき何度もやったけど開かなかったから」 「窓は」 「開かない。叩いても、全然割れなかった」 「なんだよそれ……」 その時、自分が鞄を背負っている事に、今更のように気づく。 そこには数日分の食料と――1枚の紙が入っていた。 思わず、目を見開く。 ――ゲームスタートです。 そこから頑張って脱出して下さい。
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