メロンパンとヤキモチを妬く彼

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メロンパンとヤキモチを妬く彼

 果実入りのメロンクリームとホイップクリームをなかに詰めたメロンパン。  これは甘党である江藤の恋人である大池の為にと焼いたパンなのだが、学校帰りに喫茶店へ寄ると妹の瑞穂(みずほ)から連絡を受け、彼女に連れられて一緒にやってくるだろう幼馴染であり友達のメイにも、手造りパンを食べさせてあげたいなと思い二人分のミニメロンパンを用意した。  瑞穂は江藤にとって自慢の妹である。シスコンだと思われても構わぬほど可愛いくてしかたがないし、メイの事も小さな時から本当の妹のように可愛がっていた。 「兄貴」  愛らしく微笑む短髪の少女が瑞穂、そして髪の長い美少女がメイだ。 「いらっしゃい。瑞穂、メイ」  二人が店に来るなり花が咲きほこったかのよう。男性客はその可愛さに鼻の下を伸ばし、女性客はほっこりとした表情を見せる。  そんな客たちを見て自慢げに頷くシスコンの江藤。  喫茶店の中が和やかな雰囲気に包まれた。  窓際の席に座った二人にカフェ・オレとミニメロンパンの入ったバスケットを置く。 「わぁ、美味しそう」  家族には大池の事を話してある。  自分の性癖を知っている家族は恋人が出来たことを喜んでくれた。
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