メロンパンとヤキモチを妬く彼

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 なので誰の為に作ったパンなのかはすぐにバレるわけで。  むふふふと口に手を当てて含み笑いをしつつ、「オアツイデスネ」とカタゴトで話す瑞穂の額を突く。 「もしかして噂の甘党の彼氏さん?」  瑞穂に既に大池の事は聞いていたのだろう。そう言うとメイが掌を合わせる。 「そうそう。兄貴が前に勤めていた会社の後輩クン」  瑞穂のスマホに何故か大池の写真があり、それも馴れ馴れしく大池の肩を組んで良い表情を浮かべる信崎まで写りこんでいた。 「な、信崎っ」  瑞穂からスマートフォンを奪い取りワナワナと肩を震わせる。  大池が信崎に強引に連れられ居酒屋に行ったのはつい一週間前の出来事で、途中で逃げてきたのだと江藤の家に来て話していた。  まさかその飲み会でこんな写真を撮っていたなんて! 「あの野郎……」  意地悪く笑う信崎を思い浮かべて瑞穂のスマートフォンを乱暴にテーブルの上へと置く。 「ちょと、兄貴!!」  肩を叩かれてハッとする。 「あぁ、ごめん」  壊れていない事を確認して瑞穂に手渡す。 「もうっ」 「瑞穂、許してよ、ね?」  両手をあわせてゴメンねと首を傾げれば、 「しょうがないな、許してあげる」  確かにこれは無いよねと信崎の写真を指でトンと叩き瑞穂が微笑んだ。
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