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「大池?」
それに驚いたのかビクッと肩を揺らして大池を見る江藤に、
「昼間、店に行こうとしたら、貴方がっ」
女子高生にデレデレとしていた姿を見たと言えば。
「あぁ、なんだ。お前、ヤキモチ妬いたのか」
やたら嬉しそうな顔をして顔を覗かせる江藤に、あぁ、そうだったんだと思うと怒りが急激に冷めて恥ずかしさが込み上げる。
そう、大池は初めての経験故にこれがやきもちだと言う事に気が付いていなかったのだ。
「大池、なぁ、どうなんだよ」
そっと胸に手を置いて顔を近づける江藤に、無言のまま顔を遠ざけようとするが、腕を掴まれて江藤の方へと向かされる。
「大池」
ちゅっと音をたて唇が離れ、触れるだけのそのキスに大池は泣きそうになる。
「先輩が俺以外の人にデレデレする姿なんて見たくありません」
そのまま江藤の胸へと顔を埋めれば、優しく髪を撫でてくれる。
「可愛い事を言ってくれるなぁ」
「江藤先輩は俺のです」
「うん」
腰に腕を回してぎゅっと抱きしめれば、江藤が耳元で「俺はお前のモノだよ」と囁いた。
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