メロンパンとヤキモチを妬く彼

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 バスルームのシャワーの音と共に聞こえるのは江藤の甘い声だ。 「ん、もう俺はいいからっ」  泡のついた大池の手のひらが体を滑り刺激を与えていく。  背中から腕を回して大池の体を洗っていた筈なのに、いつの間にか自分が洗われていた。  それも胸と下は特に丁寧に洗われて、感じない訳がない。 「だめです。下なんてこんなに濡らして。もっときれいにしましょうね」  予想外だった。  大池の表情が豊かになるのも饒舌になるのも、そしてエロくなる事も。 「俺のも濡れちゃったから一緒に洗っていいですか?」  ボディソープを垂らされて泡立てはじめる。 「ん、あぁぁっ」 「えとうせんぱい」  甘えるように名前を呼び、蕩けそうな顔をしながら互いのモノを擦り合わせて欲を放ちあった。  ふぅと息をはき、江藤を体を抱きしめる大池だが、まだその眼には欲を含んでおり、腰のあたりを撫でる手は下へと伸びていく。 「大池、続きはベッドで、な?」  頬を包み込んで言えば、ハイと返事をした後に何か言いたげに口を開きかけたが、結局は何も言わずに口をつぐむ。 「大池?」 「あの、ですね。俺が下で構いません、から」  江藤と付き合うようになり男同士でどうやるのかをネットで調べたといい、江藤に痛い思いをさせられないから自分が受け入れると言いだした。
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