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私の鼻腔に珈琲の
芳ばしい香りが
広かって
気持ちが
スッと
落ち着いた。
マスターには
検査を受けた後の
話をした。
「なんだか難しい病気
みたいなんですけど……」
「うん」
「怖がらないで
頑張ろうと思います」
「ええ、それが
良いでしょう」
「平均寿命まで
生きれる人も居ると
医師から聞いたし。
それなら今の時代なら
治る未来が訪れるかも……」
「そう、未来を
楽しみにしなくちゃね」
「ですよね」
と返事をして
珈琲を飲んだ。
美味しい。
「直人とは結婚してから
病気になったわけじゃ
なくて良かったかも
知れない……」
と私は呟いていた。
「何故? 」
「悩みましたが……
マスターや真澄さんの
お陰かな? 結婚前から
私を知ってる彼。病気が
分かっても側に居てくれた
彼なら一緒に頑張れそうな
気がしてきました」
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