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「あっ、いやぁ、駄目、先輩。…んんっ」
気持ちとは裏腹につい、『いや』『駄目』を連発し、甘く喘ぎながら身体を震わせるわたしに、先輩はふと手を止めた。…えっ、やっぱり止めちゃうの?
「アキ、大丈夫か」
心配そうに、気遣うようにこっちを見ている。あんまり大丈夫じゃないです、今。切なくて死にそう。
先輩はためらいがちに口を開いた。
「…お前、嫌なら嫌ってはっきり…、出来たら、今のうちに言ってくれると。今ならまだ何とか止められると思うし。…多分これ以上いくと、俺の意志では止められないと思うから」
わたしは頭の中にぼんやりした花が咲いたような状態になった。
先輩、わたしを最後まで抱いてくれるんだ。
わたしは一生懸命、頭を思いきり振った。
「大丈夫です」
言ったでしょ、一択ですよ。先輩がその気なら、絶対脚閉じない。
「最後までして下さい、先輩」
言ってしまってから耳まで真っ赤になる。なんかすごいこと言った、わたし。
先輩もさすがに少し赤くなったように見えた。ちょっと口ごもる。
「ああ、じゃあ、その。…ごめん」
何に謝ったのか。うっかり変なこと言わせちゃったからか?
先輩は気を取り直したように続きを始めた。さっきは先輩を好きなあまりわたしが感じ過ぎかと思ったんだけど、再び動き出した先輩の指遣いが、気のせいじゃなくなんだかすごい。手もなく喘がされ、濡らされる。身体中が切なく震える。早くほしい、先輩。
なのに先輩は酷かった。彼の身体が下に下りていき、え、何?と思う間もなくわたしの両脚が大きく拡げられる。
「…ああっ」
思わずすごい声が出てしまい、身体が仰け反る。先輩が脚の間に舌を這わせ始めた。…ああもう、こんなの無理。だってもうこんなに濡れてるのに。これ以上感じたら死んじゃう。早くして、先輩。
そう思うのに口も利けない。ただされるがままになり、身体の奥がびくびく震えて次第にコントロールが効かなくなる。
それにしても先輩、こういうことをするイメージじゃ全然なかったのに。いやセックスそのものもさることながら、口で…、とか。触って愛撫して、濡れたら男らしくがっと一気に挿れてくれるのかと。しかも。
…上手い。
思わず声をあげ、腰を弾ませながら快感に溺れそうになる。アキとしては語るに足りない経験しか持たないわたしだが(あ、でも、霊になってからジュンタさんともしたな。ここだけの話、あれは結構よかった。
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