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「でも、先輩とは初めてだから。…ひとりで先にいきたくないです。…先輩と一緒にいきたい」
言った!
よくやった自分。
「…先輩、挿れて」
駄目押しに小さく付け加えたのと、先輩がすごい勢いで覆い被さってくるのがほぼ同時だった。きつく抱きすくめられ、滅茶滅茶にキスされる。あっと思う間もなく、切なく濡れて先輩を欲しがっていたわたしの中に、彼が奥まで一気に入ってきた。
「…あぁ」
わたしは仰け反り、大きく呻いた。
「…アキ、ちょっと待て」
先輩が切なそうに喘ぎ、わたしを抑えつけるように抱きしめる。
「あんまり、…そんな、動くなって。無理だよ。…いきなり」
苦しそうに呻く。
「保たない」
「だって」
あんな散々焦らして、我慢させておいて。わたしだって自分を抑えようとはするんだけど、…先輩がわたしの中にこんな風にいるんだって思うと。ああ、もう…。
わたしは切なく身悶えした。
「…じっとしてられないです…」
「だからそんな顔して、そんなこと。…言うなって…あぁ」
先輩はわたしの唇にキスして、ため息をついた。わたしの中に入ったまま、身体をぴったり押しつけて耳許で囁く。
「ちゃんと動いてやるから。少しずつ、そっと…、動くから。ちょっと待ってろ」
「はい」
わたしは動きたがる腰をなんとか抑えて、先輩のタイミングが整うのを切なく待つ。先輩は再び大きく息をつくと、そっとゆっくり、慎重に身体を動かし始めた。…ああ。すごく…。
「いいか」
わたしの上で腰を動かしながら、先輩が耳に口をつけるようにして尋ねる。わたしは甘いため息まじりに答えた。
「…いい…、です。…」
身体の奥がじんじんしてる。ゆっくりした動きが少しずつ激しくなっていく。…ああ、もう駄目。
溶けそう…。
わたしは我慢し切れず、思わず腰を遣い始めた。先輩をいっぱい味わいたい。甘いはしたない声が喉から洩れる。先輩が喘ぎながらわたしの身体にしがみつく。
「…あぁ…、アキ。…もう」
「先輩」
わたしは甘えるようにねだった。
「もっと、先輩。…もっといっぱい、して。…あぁ…ん」
「あっ、そんなに…。締めるなって…、あぁ…」
いつの間にかお互い、我を忘れて激しく腰を絡めあっていた。先輩が切ない甘さのある微かな声で呻く。その声と表情に身体の奥がぎゅんとする。
「あっ、アキ」
その瞬間、先輩がびくんと反応した。あっと思う間もなく、わたしも耐えきれず激しく身体を震わせる。
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