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東京都新宿区には、超常的な力を用いて世の中の悪と戦う謎のヒーローがいた。
その名も、Mr.バルドヘッド。
不正を憎み、不実を忌み、不当な仕打ちに立ち向かう。涙する者には胸を貸し、倒れた者には手を差し伸べる。
そんな心優しき完全無欠のヒーローは、しかし……
◇
「キャアアアアアッ! 誰か助けてぇぇぇぇッ!」
「ぐえっへっへっへ! ここは路地裏だァ、もう逃げられねぇぜお姉さブッフォォォッ!!」
ズダァァァン!!
「あぁっ!? タクオ!?」
「なんだ!? 今タクオが、『まるで上から降ってきた』かのようなパンチを喰らったッ!!」
「だ、誰だテメェッ!!……って、ぐおぇぇぇぇ!?」
ズドォォォォォン!
「ジョーまで!! あっ……お前はまさかッ!」
「 間 一 髪 ッ !! 私が来たからにはもう大丈夫だお嬢さンンンッ!」
「「「Mr.バルドヘッド!!?」」」
「そういうことだァ、悪党共。お前らみたいな雑魚なんてデコピンで瞬殺してやるから覚悟しるウォォォォォォッ!!」
「は、早イッ! これが『目で追うのが精一杯』な脚力ゥゥッ!!」
「っていうか、デコピンもなにも既に二人ほど殴り飛ばしてキエエエエエッ!?」
「色んな意味で口を閉じた方がいいぜニイチャァン!! 喰ラエッ、DEKO☆PIN!!」
バチィィィィン!
ズシャアアアアア!
「ぐぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「あぁっ、鼻フックがやられたッ!!」
「ぐ……ぐ……く…………っ」
「おや、私のデコピンを喰らってまだ立ち上がるか!! 出来れば名前的にジョーとやらに立ち上がって欲しかったが、仕方ないッ!! 私の本気を特別なYOUに見せてヤロウッ!!」
ブチブチブチィッ!!
「な、なんだ!?」
「バ、バルドヘッドが!!」
「『髪の毛を引き抜いた』ぞォォォッ!」
ガリッ! モキュモキュ、ゴクゥゥゥン!!
カラカラカラ、パカッ、ゴクゴクゴク
「──プハァァァッ! ウォォォォッ!!MAXウケウォォォォォオオオ!!!」
「「「喰ったぁぁぁぁあああ゛っ!!!」」」
「さァて、貴様にはどうやってトドメをさしてやろうか…………」
「うっ、うぅっ……」
「こ、これはやべぇ!!」
「逃げろ鼻フック!!」
「……決めたァァァァッ! 貴様は鼻フックの刑だァァァァァァッッ!!」
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