第19章  香奈の秘密(続き)

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しかし、日が経つに連れ、私の思考も気持ちも、 何かに囚われているように見えてきたという。 「それで、俺、ちょっと心配になってきたんだ。 一緒に住んでみたものの、やっぱりこんなはずじゃなかったって 君が思い始めてるんじゃないかって……」 あまりにも苦しげな声で、やや途切れがちに言う彼の言葉の裏に、 私は、前の奥さんの残像が見えたような気がした。 しかし、それをこの場で聞くことはしなかった。 その代わりに私は、自分の手の下の彼の手を柔らかく握る。 「衛。結果的に隠し事をしていたのは、私が悪い。本当ごめんね。 でも私、衛との生活は全然イヤじゃないよ? むしろ、時が経てば経つほど、この生活が楽しくなってる」
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