第20章  衛の秘密

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「出来れば、お弁当もってピクニックしたかったわね」 「そうだね」 しかし、美しく桜咲き誇る週末だ。 誰しも思う事は同じで、数本の桜の下では早くも宴会が始まっている。 そんな人々から少し離れた所をゆっくりと手を繋いで歩き、 私たちも桜を堪能し、 この日は、去年彼と一緒に楽しんだ新玉ねぎの丸蒸しを食べるため 一年ぶりにあの店へと向かった。 しかし、春も本番となった4月になって、ゆっくり出来たのはこの週末まで。 実際、仕上がりも目前になった佐々木くん依頼の仕事と 新たに担当することになった中規模な会社の自社ビルの設計で、 連日のように打ち合わせと図面引きに追われる日々。
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