第20章  衛の秘密(続き)

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もちろん、私と食事や話をしている時につくことはないのだが、 ぼんやりしている時に時折ついていたそれが、 テレビなどを見ていても度々零れてくるようになった。 そして、さすがに確実に彼の中で異変が起きていると確信した、その頃。 私たちは、ちょうど付き合って一年目となる梅雨の季節を迎えていた。 この一週間余り、私は、慎重に彼に何が起こっているのか 尋ねるタイミングを、じっと計った。 そして、土曜日の午前。 いつも通りに、ゆっくりの朝食と掃除を終え、 ソファでひと息ついたところで、私は、そっと切り出した。
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