第20章  衛の秘密(続き)

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すると、ほんのわずか押し黙った彼は、 手の中のマグをそっとテーブルに置いて細く息をつく。 「ごめん、気を遣わせてたんだね」 わずかに項垂れる彼に、私は、にわかに慌てた。 「そんな事ないの。でも、ちょっと元気ないみたいだったから 心配っていうか、どうしたのかなって……」 ところが、言い繕った私の言葉尻に続くように低い彼の声が尋ねる。 「いつだったか、香奈は、俺と暮らすのが、 日に日に楽しくなるって言ってくれたよね?」
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