第20章  衛の秘密(続き)

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彼と付き合い始めてから、一年ほど。 数々の唐突な問いや話題にも、 今では、もうすっかり慣れていると思っていた。 だがまさか、こんな風に いきなり別れを切り出されるとは思いもしなかった。 「どういう、こと……?」 彼の胸につかえている物を吐き出してもらい、慰めようと思っていたのに それどころではない。 自分の方が自分を見失いそうで、思わず震える声でたどたどしく尋ねる。 それに彼は、更に視線をわずかに落とし、淡い溜息交じりに話し始めた。
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