第20章  衛の秘密(続き)

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「彼女、ちょっとしたお嬢さん育ちでさ。 だから、料理も含めて不得手な事が多くてね。 でも、そんな事を一つ一つ、すごく一生懸命やるんだ」 「それが、可愛かった?」 尋ねた私に、チラリと彼の視線が流れてくる。 「妬いた?」 「だって、私はお嬢さんじゃないし、 だから、何でもある程度はこなさないとならなかったし。 なんか真逆だなって思って……」 正直なところは、妬いたというよりも そんな正反対の二人の女性を、どうして彼が選んだのかが不思議だった。 しかし、再び私に視線を向けた彼がクスクスと笑う。
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