第20章  衛の秘密(続き)

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「本当だ。好きな人の妬きもちって、ちょっと嬉しいもんだね」 満足そうな顔をされ、小さな誤解も「まぁいいか」と有耶無耶に消えていく。 そして、 「でもさ、結果的に、彼女のそんなところが 俺の鈍感さに耐えきれなくなって、俺たちの間の亀裂になったんだよね」 確かに、恋愛中や新婚当初は、 彼女の一生懸命さは、健気で可愛く映っていた。 しかし、結婚生活が現実というものに変化する内に 彼女のそんなところは必死さになっていき、 最終的には、ロマンも空気も読めない夫に対して、 自分はこんなに頑張ってるのに、夢見た結婚はこんなはずではなかったのに という不満になった。
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