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私もこのお嬢さんが、アッパラパーな感じの女の子であれば、こうまで恐縮はしない。
しかし「君はこんな水商売みたいなことをしなくても、他にいくらでも出来ることがあるよ」と言いたくなる様な、理知的な雰囲気の女の子だ。
この子がこんな商売をしている事を、親御さんは知っているのか?
いやいや、違う違う。これはゲームだ。この子はゲームのキャラクターなのだ。
あまりにこのゲームがリアル過ぎて、気持ちが入り込んでしまう。
お嬢さんは、私の隣に座っているのだが、私にピッタリと身を寄せて来る。
甘い、いい香りがする。お嬢さんと密着した肌が暖かくて気持ちいい。
湊を抱っこしている時とまた違う感触だ。当たり前だが。
なんで、こんな若い子なんだ?私も社会人だ。会社内で今のような境遇になるまでは、お客の接待などでキャバクラに行った事もある。
その時は、こんなにキャバ嬢とは歳が離れていなかったぞ。
……だからと言って、私と同年代の四十歳前のおばさんに出てこられても困るが……
しかし、こんな自分の娘ぐらいの子供に来られても……
私がいろいろと考えていると……
お嬢さんが少し恥ずかしそうにこちらを見る。
顔が真っ赤である。そのクリクリとした大きい目を潤ませて私を見ている。
なんだ?
「あの……」
お嬢さんは恥ずかしそうだ。
「……その」
なんだ?何を恥ずかしがっているのだ?私が、あまりにびっくりしすぎて、この子をジロジロ見過ぎたか?
「……今晩のお相手は決まりましたか?」
なっ、なっ!なっ!!
なんだとっっ!!
なんだ!その今晩のお相手とはっ!!
いやいや、私ももう、いい大人だ!カマトトぶるつもりは無い!!
今晩のお相手とはっ!!もちろん、今晩のお相手だろうっ!?
何を言っとるんだ!私。一度落ち着けっ!!俺!!いやいや、私!!
「もし……その……あれだったら、私と3ピース・オブ・エイトでどうですか?」
何?そんなに安いのか?いや、違う、違う。
私には「お嬢さん、自分をもっと大事にしなければ駄目だよ」との言葉が浮かぶ。
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