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その若者は静かに私達を見る。
すごいな。えらく自然体だ。
「……」
「……」
私は試しに若者が話し出すのを待ってみた。
「……」
「……」
「……えっ、なんで無言?」
無言の空気に耐えられなくなったのか、エッダリが声をあげる。
「……えっと、おめぇ、名前は?」
そして勝手に若者に質問を開始した。まあ、私だけが仲間になりたい者に質問をしなければいけない理由もない。
「……トゥルルです」
「おめぇ、地球は丸いか?」
「……それは何か海賊になるのと関係がありますか?」
エッダリはトゥルルに逆に質問をされてしまう。
「えっ?」
エッダリは困った顔をして私を見た。
それぐらいで動揺するな、馬鹿者。
「海賊行為とは関係ありません。海賊行為と関係無いことは質問してはいけませんか?」
私は笑顔でトゥルルに聞いた。
「……」
トゥルルは私を眠たそうな目で見てくる。
「あなたは何が得意ですか?」
私は内容を変えて彼に質問をする。
「……だいたいのことは出来ます」
これはまた大きく出たな。年齢は二十代後半ぐらいだろうか?私のゲーム内の設定年齢である二十九歳より少し若いぐらいである。
「あなたは剣もお得意ですか?」
トゥルルは少し考えた。
「……ええ、私より強い人はそういないと思います」
なんと!?そこまで言い切るか?この若者は。
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